狩猟見学 その1
念願叶って狩猟へ昨日同行させて頂けたので簡単に内容を記録。あくまで僕が感じたことをつらつらと書きます
(緊張と猟の邪魔をしてはいけないと思い写真少なめです。)
朝7時に連絡していた場所で集合。こんなに集合時間が待ち遠しく感じたのは何年振りでしょう。
お世話になるMさんと挨拶を交わし軽トラに乗るように指示を受ける。
その後軽トラに搭載されている無線機でグループメンバーが今日どこの山でやるか、各自担当している山に撒いたエサの食べ具合から無線で相談。電波の入りが良い場所へ車で移動。移動中も飛び交う山の通称名。色々無線でやりとりされているようで聞き取れて理解できたのは
「こっちの山に撒いたエサ、一晩でようけ喰うとうるわ」
「シカやなかろうのう??」
「足跡がちがう、そっちはどうね?」
「ようけ来とるけどこまい(小さい)のしかおらん」
「じゃあそっちでやってみようか」
(実際はこんなクリアーに聞こえない。。)
米ぬかを撒いて食べた量・足跡が向かった先・足跡の大きさでサイズを判断しているようです。
道中、世間話を交えながら会話しつつ
「罠と違って猟犬使う場合は無線機は必須やから、無線の試験受けて合格せんとあかんよ。それと地域の山や道、山の地形。ちょっとずつでもいいので時間掛けて覚えていったほうがいい。狩猟人口は広島県はこの10年で激減。たまーに見学させてくれいう人が来るけど大体40歳くらいやから今の内から進めておけば10年もすりゃあ若い大ベテランや。質問あれば年上や思うて遠慮せんと聞いてね。後輩育成も大切や。
それと広島だけやなくてどこでもそうやけど、イノシシ・シカは増加の一途や。あんたみたいな人がもっと狩猟に興味もってくれたらええんやけどね。昔は山と人里の間に緩衝地帯みたいなイメージで山を手入れしたり山で遊んだりして自然と動物と人間の住処に距離があったけど、最近は山からいきなり住宅街や。出てくるな言う方が無茶や」
集合場所に到着し、自己紹介。
あーだこーだ会話が在ったのち山が決まったので集合ポイントへ到着。
それぞれの持ち場へ。最初は待子と呼ばれる猟犬が獲物を追い出し、逃げてきた獲物を撃つ方と同行。
山に入る前に簡単に以下注意を受けました。
①地べたに座るとマダニが怖いので極力避ける
②坂道を上る際に掴んだ木が腐ってスカスカになってることが有るので体重掛け過ぎないこと
③銃の管理は所持者に全責任があるけど同行する人も「信じて疑え」の心で銃口先に入らない事
④猪が突進してきたら太い木々に身を隠す。間違っても応戦しようとしない。絶対勝てない。最悪こちらが死ぬ。
⑤スタートしたら基本動かない・大きな声を出さない、
①~④は人の安全、⑤は猟の成功の為と思いますが安全から説明に入って頂いたので安全最優先グループなんだなぁ~と安心しました。
谷底の様な場所で待機。目の前には藪、その少し奥に葛の茂み、その先に竹と広葉樹が混ざった様な山頂。
ジッと山の中で待つ。。。。何とも言えない緊張感。。。。。。聞こえるのは大騒ぎしているヒヨドリの声とドングリやら葉っぱが落ちてくる音、風の音。
(犬が鳴いたら獲物を見つけた合図やけぇの。良い時は犬を放った直後に鳴いて見つけて解体含めて午前中で片付くときもあれば、8時間山で待ちぼうけの時もある。暇つぶしに本とかアイパッド使って静かに待つんじゃ。やけどあんまり夢中になると気配が完全に消えて目の前イノシシがでてくることがあるからほどほどに)とMさんと小声で会話
待ってる間に色々聞きたいので質問いいですか?と許可を得て小声で会話
(罠免許だけでも狩猟できますか?)⇒(できるよ。だけど1年目なんて狩猟期間で1頭獲れたらいい方と思った方が良いよ)
(くくり罠を設置する技術の差が全面に出るからですか?)
⇒(それもあるけど一番は踏ませる技術やの。石置いたり枝置いたりするけど、置き方の差や、選ぶ枝や石の差なんかが影響すると思う。)
(Mさんは罠やってないんですか?)
⇒括り罠をやりよるよ、だけど最初の年はかからんかった。頻繁に使われるヌタ場へ向かう途中に仕掛けたから今日明日にでも簡単に取れる思うたけど、罠で穴掘った翌日からもうそのヌタ場使わんなってしもうての。猪は相当賢いで。
(最近かかりましたか?)
⇒昨日かかったよ。中くらいのメスじゃ。よう肥えとったわ。死にもの狂いで向かってくるので銃で止め刺ししたわ
(銃がないと止め刺しできない?)
⇒出来んことないけど80KG以上とかだと恐ろしくてよう近づけん。見まわる時も遠くからソッとみるんじゃ。掛かってた場合は一旦落ち着いてから山の上側から近づくのが鉄則やで。80kg以上の巨体が死にもの狂いで下り坂を利用して突っ込んでくるんやで。そんな連中に槍やハンマーで立ち向かうのは無謀や。怪我したら辞めるって嫁はんとの約束もあるから僕はやらない。
(今日もし獲れた場合とか昨日罠で獲られたやつはどこで解体ですか?自宅ですか?)
⇒(山の外れに僕ら駆除隊の解体小屋があるのでそこまで輸送して内臓だして冷やして解体しとる。鴨とかなら自宅で出来るけどシカイノシシを住宅街に持ち込むのは仮に設備があっても匂いの問題とかになるから家と家の距離があるような農家とかじゃないと現実的でないよ。)
(駆除隊ってなんですか?)
⇒(市から委託されて猟期以外でイノシシ・鹿をとっていい人達の集まり。11月15日から2月末までいわゆる猟期。それ以外は普通狩猟できんけども駆除隊は年中できる。でもそれは在籍してる市だけ。獲物が隣の市に逃げ込んだらおわりや。。。あんたも若いし駆除隊に入ってくれんか?10年前に比べてハンターが半減しとる。)
(どうやって入るんですか?)
⇒まず狩猟免許を取る、銃を所持許可もらう、銃を買う、この他細かいことがあるんじゃが基本はこの流れや
(銃がないと駆除隊は入れない?)
⇒他の市は知らんが三原市は無いと入れないね
(銃の所持って相当ハードル高いって聞いたんですが)
⇒そう。日本は基本銃を持たせない国やからね。所持にかかる労力と時間大変。お金もそれなりに要る。
試験も難しい。要は 本当に銃が好きで時間を割ける人、勉強が出来る人、お金がそれなりにある人じゃないと持てん ということや。
(首尾よく銃を所持しても転勤とかで他府県にいったら?)
⇒届出をきちんとしたら問題ないよ。
(その他いるものは?)
⇒理想は軽トラやけど家族が嫌がる場合もあるから軽のワゴン商用車とかジムニーとかでやってる人もいるよ
服装とかナイフとかも必要。ナイフはこだわり出したらきりがないよ笑
そんなこんなやりとりしてると突如山の中腹で「ワン!!!」と聞こえてきた。続けて「ワン!」
ちょうど我々の向こうに見える藪の中から聞こえる・・・様な気がする。
(多分こっちくる。しゃがんでジッとして)
・
・・
(あれ?鳴かんのうなったな。。。)
猟犬だけが戻ってきました。「あら、アナグマかタヌキかの、この山にはおらんかったな。まぁこんなんしょっちゅうよ。かと思えば、山降りてる最中に目の前横切ったりよくわからん」
猟犬を捕まえて一旦ミカン畑を通って山を下りる事に。。。途中ミカン農家の方から「獲れんかったか、またやって下さい。」と言われミカンを頂く。文字通りもぎ立て。美味い。
農家の方から「アンちゃん若いね、免許もっとるんね?なに?もっとらん?じゃあ来年取ったらうちの周りに罠やってくれや。自分らで柵張ったりしてるけど気休めや。奴らその気になったらこんな策すぐ破壊する。あんちゃんの罠かかったら連絡するわ。解体するときに使う水道とかはうちのつこうてくれてええけぇの。獲っても獲っても毎年倍々ゲームみたいにふえるんじゃけ。あのミカンの木の枝は先週折られた。高い箇所の実も欲張って盗ろうとする」とありがたいお言葉と農家さんの辛い生の声を聞いた。
しばし休憩をはさんで軽トラックで次の山へ。猟犬もお水を貰ってちょっと休憩。。。
軽トラ荷台に乗ったのは何年振りかな?
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